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より良いポージングにするためにはどうすればいいのでしょうか。
全身の筋肉をくまなく収縮させることでしょうか、それとも、得意な部位をアピールすることでしょうか。
どちらも違います。自分の体を見続けている選手はややもすれば、得意な部位を過大評価し、また、自分の筋肉に不安を感じ、よく見せようと、とにかく筋肉に力を入れて、ガチガチのポージングになりがちです。
良いポージングは、一部の筋肉の見せ方や、カットやキレなどの筋肉の細部では決まりません。
細かな部分ではなく、全体で決まると言っていいでしょう。
インプレッション
自身の筋肉については、細部まで良く知っていると思います。
しかし、客観的にはどうでしょうか。
例えば、自分では、上腕二頭筋の左右の力こぶのピークの差を知っていても、他の人はどれだけその事実に気付くでしょう。
よく見れば分かると思いますが、ステージ上で、僅かな審査の時間内に気付くことは難しいでしょう。
そのような事実よりも、かえって、その事実に怯える雰囲気に気が付きます。上腕二頭筋をもっと収縮させようと、腕を曲げ過ぎていたり、肘が上がり過ぎていたりするからです。
細かな事に気を回せば回すほどに、ポーズはぎこちなくなっていきます。
逆に、多少の弱点はあっても、堂々とポーズをすれば、それだけで審査員に良い印象を与えることでしょう。
シルエット
自信を持って堂々とポーズを取ることは重要ですが、それだけでは良いポージングはできません。
良いポーズはシルエットが良くなければいけません。
シルエットとは輪郭のことです。
ボディビルダー達は往々にして、筋肉の大きさやカット、ディフィニションに意識を向けがちですが、ポーズとは型ですから、綺麗な型でなければ、良いポーズと言えないでしょう。
ある部屋のインテリアに、一つ一つの家具や小物は素晴らしいものを買っても、組み合わせや配置を誤れば、ひどい部屋になると同じことなのです。素晴らしいポーズは素晴らしい筋肉を持っているからできるのではなく、素晴らしいポーズだから優れているのです。
残念ながら、有名なボディビルダーの中にも、ポージングが下手な選手は多くいます。
おそらくは、大会の直前以外はポージングの練習をしないか、筋肉さえ大きければポージングなんて関係ないと思っているのかもしれません。
確かに、ポージングが下手でも、それを凌駕する筋肉があれば、大会では勝てるかもしれません。
しかし、人が感動し、憧れを抱くようなボディビルダーになるのは難しいでしょう。
一に練習、二に練習
良いポーズは理論や理屈だけでは出来ません。
どのようなスポーツでもそうであるように、数多くの練習が必要です。
鏡を見ながら、日々練習を積み重ねれば、次第にポーズは洗練されていきます。
下手なポーズは、重心や、バランス、全体性がイマイチです。
始めのうちは気づきにくいでしょうが、日々ポージングを練習していくと、だんだんとポーズの良し悪しがわかっていきます。
そして、悪い点に気が付いたら改善していけばいいのです。
もし、どこか悪いか気が付かなくても、練習は裏切りません。
練習を積むことで、無駄な動きが減り、スムーズなポーズになります。
それだけでも練習の甲斐があるでしょう。
ポージングを練習していない選手は一目瞭然です。
無駄な動きが多く、アンバランスで、よく息が切れて、汗だくだったりします。
終わりに
ボディビルは言葉の通り解釈すれば、体を作ることですが、コンテストは「ボディ・ビルディング」よりは「ボディ・ショーイング」の方が実際に合っています。
「体を作る」ではなく「体を見せる」ということを念頭に練習することが、ボディビルコンテストで評価を得るためのコツです。