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料理

熟成魚の作り方

熟成魚には、新鮮な魚とはまた違った旨味がある。
熟成魚づくりは、単に、美味いからにとどまらない。
家庭でも、大きな魚を美味しく食べるための素晴らしい保存方法でもあるのだ。

目次

昨今は新鮮な魚よりも、熟成した魚が価値を持つようになった。

新鮮な魚の刺身はみずみずしく、歯ごたえがあって美味い。

熟成させると、水分が抜け、身が締まり、歯ごたえはなくなるが旨味が増す。

新鮮な魚も熟成された魚もどちらも長所があって、どちらが上ということは言えない。

ただ、保存可能期間の長い熟成魚の方が実用さで勝る。

今までのお寿司屋さんでは新鮮な魚が売り物だったし、新鮮な魚が美味い魚だったが、今は熟成した魚を使って寿司を握る。

どのくらいのお寿司屋さんが、熟成魚を好んで使っているのかは知らないが、私の働いている店では熟成魚を作って積極的に握っている。

熟成魚

熟成魚とは、購入した魚を適切な処理を施し、一定期間保存したものである。

普通、魚を冷蔵庫に入れておくと、熟成ではなく腐敗する。

しかし、保存の方法によっては腐らずに、魚肉内の旨味成分が増加し、熟成魚となる。

熟成魚の作り方は、実際、youtubeで検索すると、すばらしい動画がいくつか出てくるのでそれを参考にすればいい。

私があえて説明するのは、熟成魚の作り方の選択肢を増やすためである。

それに、私自身は働いている寿司屋の親方の方法が実際的で、やりやすいと思っている。

魚の処理の方法

熟成魚にするための処理は、まず、新鮮な魚を購入する。

どうせ寝かせるのだから、割引された魚でもいいだろう、と考えるのは良くない。

腐りかけの魚を寝かせても残念ながら、より腐るだけで熟成魚とならないし、もし熟成されたとしても、やっぱり新鮮な魚に比べれば美味くない。

新鮮な魚を手に入れたら、ウロコと頭、内臓、血合いを取って綺麗に洗う。

ここまでは、通常の三枚おろしと同じ行程だ。

そして、魚への処理はこれで終わりである。

たったそれだけ?

これだけである。

次に、クーラーボックスまたは発泡スチロールの箱に氷水を作り、その中へ処理した魚を沈ませる。

水の役割は魚を空気に触れさせないためなので、氷水はほとんどが氷くらいがいい。

魚の腐る原因の1つは空気による酸化だ。

氷水は酸化を防ぐ。

また、氷水の最大の利点は融点ギリギリの温度保ってくれることだ。

保存する温度がマイナスになってしまえば熟成は進まず凍ってしまうし、温度が高ければ腐敗が進む。

氷水は、概ね0度を保ってくれるので都合が良い。

魚を氷水に沈めたらあとは熟成を待つだけだ。

熟成期間中、魚体に残った血液や体液が氷水に溶け出す。

氷水が汚れと、腐敗の原因、もしくは衛生的に良くないと思われるので水を交換すると良い。

氷水保存の利点と欠点

youtubeで熟成魚の作り方の動画を見ると、「究極の血抜き」と言われる方法で血抜きをして、キッチンペーパーとサランラップで巻いて冷蔵庫、もしくはチルド室で保存をしている。

たぶん、この方法が一番なのだろう、だが、何日も冷蔵庫、チルド室の容量魚で埋めてしまうのは、一人暮らしならまだよいが、家族があれば、奥さんに全ての料理の実権を与えている場合は、奥さんの「いやな顔」は必至である。また、魚のサイズは小に限られる。

クーラーボックスや、発泡スチロールならばその心配は低い。

邪魔にならない場所に放っておけば良いのだから。

それにキッチンペーパーもサランラップも必要ないし、「究極の血抜き」もいらない。

究極の血抜きをしないから、熟成中に氷水が汚れるのであるが、水を捨て、氷を補充するだけだからそれほどの手間はないだろう。

クーラーボックス、発泡スチロールの大きさ次第ではあるが、魚のサイズは、尻尾と頭を含めて1mくらいまでなら問題ない。

ホームセンターで一番大きい発泡スチロールは1000円くらいで購入でき、頭と尻尾を切ってしまえば十分に容器に入るサイズになる。

唯一この方法の欠点は氷の大量消費である。

これだけは自己解決して頂きたい。

私の場合は、近くのスーパーが保冷用として、食用不可の氷を無料で提供しているので、適宜、氷を頂いて、熟成魚用に使っている。

親方がこの方法で熟成魚を作るのはおそらく、そのための冷蔵庫の容量がないこと、自家用にふんだんに氷が用意できること、そして、冷蔵庫内の温度にムラがあることが理由であろう。

冷蔵庫は、氷水の様に温度が一定ではない。

温度が上がったら下げる、下がったら上がるまでそのままで、また上がったら下げるを繰り返す。

とはいってもyoutubeの熟成魚の作り方で、冷蔵庫を使い、上手くいっているのであるから、温度のムラの影響は小さいと言える。

熟成期間

さて、最も重要と思われる、どのくらいの期間熟成させるべきか。

これは、残念ながら説明できない。

魚によって違うからだ。

どのくらいの期間がベストであるからは、トライ・アンド・エラーで会得していくしかない。

言うなれば、この知見が親方の技術であり、寿司屋としての財産である。

保存方法として

美味しい熟成魚を作るのは大変である。

だが、美味しさの追求ではなく、保存方法として考えれば、今日からでも役に立つ方法だ。

従来は、魚を買ってきたら刺身として食べられるのは、買った当日か翌日が限度で、家庭で、何キロもある魚は、たとえ、100g当たりの単価が安価でも買うことが出来なかった。

しかし、長く保存が出来るのなら、大型の寒平目だって買うことが出来るのだ。

終わりに

年末のこと、親方から鰆を4匹、計5kgを買った。

氷水を使った保存方法で8日後まで刺身で食うことが出来た。

火を通せばそれ以上の保存が効くことになる。

魚は、裏庭の倉庫に仕舞っていたので、冷蔵庫を専有することも無かった。

家族の者の中には、どこから鰆が出てくるのか不思議がっているものもいたくらいである。

冬の今は、氷水による保存は、氷が溶ける心配がそれほどでもないので、大変素晴らしい保存方法である。

ただし、夏の時期はなかなかむずかしそうだ。

今年の夏、はたして、氷水による保存は役に立つのかどうか。

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