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筋トレ談義 ちょっと細かい話

ベンチプレス等のバーベルを握るときの手幅について

バーベルの手幅だって? そんなことは自分の感覚で分かる、という人はご自身の感覚の従うままに手の幅を決めていいと思います。ただ、まだトレーニングを始めて間もない、または、なんとなくやっているだけでよくわからない人であれば参考になると思います。

バーベルエクササイズはたくさんあります。今回説明する手幅はその中で、三角筋、広背筋、大胸筋、主に胴部の筋肉を鍛えるものに限ったものとしてます。なぜその範囲に限るのか。それは、肘関節と肩関節を共に動かすエクササイズに限った決め方だからです。

手幅はどのくらい?

適切なバーベルの手幅は、正面から見て両の肘と肘の幅です。でも、腕を横に水平位に上げたときと、気をつけをしたときでは肘から反対の肘の距離は異なりますね。実際、腕をどの位置で適切なのかはエクササイズ次第になります。

まずはベンチプレスです。ベンチプレスをするときの腕と体の開き具合は、正面から見て、水平位と気をつけの中間くらいの45度〜55度、もしくはもうちょっと脇が開いてぐらいかと思います。いずれの角度でも、両の肘と肘の距離が、ベンチプレスをするときの適当な手幅です。しかし、手幅の広さの違いでよりそれぞれの筋肉への負荷の具合が変わってきます。大胸筋により負荷を掛ける場合は手幅を広く、三角筋や上腕三頭筋に負荷を掛ける場合は手幅を狭く(ナローベンチプレス)です。ただ十分に筋肉が発達していない状態で、手幅を広くしたり、狭くしたりするなどのテクニックは必要なく、また、重量がよりあげるられる手幅も探す必要はありません。ですから、どこかの筋肉に負荷がかたよることのないオーソドックスな負荷の掛かり方のバランスの良い手幅として、両肘の距離の手幅を勧めます。

次に、広背筋を鍛えるベント・オーバー・ローイングはどうでしょうか。こちらは、実際、押すエクササイズであるベンチプレスが、引くエクササイズに変わっただけですので、ベンチプレスと同様の手幅でいいと思います。ただし、上体の傾斜角度によっては手幅を調節しなければいけません。基本的なベント・オーバー・ローイングは上体を床と水平か、その位置から、わずかに上体を上方に起こした位置で動作を行います。この場合はベンチプレスと同程度の手の幅でいいでしょう。

上体の傾斜が直立に近づくにつれ、手幅は狭くしていきます。細かくどのくらいかはわかりませんが、広背筋の収縮具合や動作がスムーズになる手幅を見つけてください。

話はそれますが、ベント・オーバー・ローイングの基本の上体の姿勢は床と水平になるまで体を前に倒します。その位置でバーベルを引くことで十分な負荷と可動域を得られ、筋肉刺激が与えられます。ただ、実際多くの人がベント・オーバー・ローイングを上体の傾斜が45度、稀に80度くらい、見た目には直立したような姿勢でしています。直立気味でベント・オーバー・ローイングは、ほとんど効果がありません。実際にその姿をみればよくわかります。広背筋の機能は前面に向かって挙げた、もしくは伸ばした上腕を体に近づけます。体を前方に倒した状態でバーベルを握れば、体と上腕は離れて、脇が90度くらい開いていますから、広背筋が十分に動いてバーベルを引いて、その90度分を縮めます。しかし、直立に近い状態では、上腕は体が離れておらず、広背筋が働く余地はありません。それでも動作を行うとすると、どうしても、バーベルを振子のようにぶらぶらするしかありません。いかなる高重量を用いようとも、バーベルをぶらぶらしているだけで筋肉が鍛えられるはずはありません。仮に45度の傾斜でも、直立ほどではありませんが、広背筋への負荷は見た目よりもだいぶ少なくなりますし、可動域も基本の半分になります。いわばパーシャル・ベント・オーバー・ローイングです。どのエクササイズでもパーシャルでは高重量の感覚がつかめるという以外の利点はありません。筋肉を刺激したいのであればこちらもしないほうがいいでしょう。

話を戻します。次は広背筋を鍛えるラットプルダウン、チンニングです。どちらのエクササイズも動きはだいたい同じです。ラットプルダウンでは上方から下方にバーを引き下ろす動作で、チンニングは上体を引き上げます。これらのバーを握る手幅は、肘を体側に、肩と同じ高さまで上げたときの(ダヴィンチの人体図の足を開いていない方みたいにしたときの)両の肘の距離が手幅です。つまりはその状態で肘を直角に曲げ、そのままバーを握れば適切な手幅となるでしょう。この手幅の決め方はベンチプレスと同様で、広くすれば、より個別的に広背筋に負荷がかかります。

三角筋を鍛えるプレス系のエクササイズは、ラットプルダウンやチンニングと同じ手幅で結構です。またバーベルアップライトロウも同様でいいと思います。

手幅の性格

適切な手幅から離れて、手幅が狭い場合と広い場合にはそれぞれ特徴がありますので説明します。

手幅が狭くすると、筋の動作範囲は大きくなりますが、負荷が対象筋から上腕へと移行し、対象筋への負荷が減ります。ベンチプレスで言えば、手幅を極端に狭くすると、大胸筋ではなく、上腕三頭筋への負荷が強くなり、上腕三頭筋のエクササイズになってしまいます。

手幅が広い場合には、対象筋への負荷は増大しますが、動作範囲が低下します。ラットプルダウンおいて、あまりに広い手幅では、スタート位置からをプルダウンバーを引き下げてフィニッシュの位置に来ても、上下動作はわずかで、たしかに広背筋(特に上部広背筋)への負荷は大きいですがアイソメトリック的な運動となってしまい、筋肉の発達に重要と言われるエキセントリック動作が少なくなってしまいます。手幅を狭くする、広くするということは一長一短です。よほど確信がない限りは、極端な手幅への変更は避けるべきでしょう。

適切な手幅についていくつか説明してきました。今まで、手幅について気にもしていなかった。という人は、まずは、この両の肘の手幅を試して下さい。そしてやや慣れた頃、僅かに手幅を広げたり、狭めたりし、負荷の掛かり方や筋の動作範囲の変わり方を感じましょう。きっと自分にあった手幅が見つかると思います。もし、ジムにいるベテラントレーニーが、何やら、いろいろ気にしながらバーベルを握ろうとしているのを見かけたら、大方これまで説明したことを考えながら握ろうとしてるんだろうなと思って間違いないと思います。

これでまた少し、ジムでの人間観察が楽しくなってきますね(笑)

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