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筋トレ談義

ベンチプレス100kgの幻想

私達は、ベンチプレスにおいて、往々にして、100kgという重量に執着する嫌いがあります。
しかし、その執着は、合理的ではないのです。
むしろ悪しき慣習といっても良いくらいなのです。

目次

不思議な重さがあります。

特にベンチプレスでは100kgという重さが人気です。

95kgでも105kgでもありません。

筋トレを始めたばかりの人には目標になり、筋力を維持したい人にはボーダーラインになっています。

ですから、ジムでベンチプレスをやっている人をみていると、この100kgに1回だけ挑戦する人が多いのです。

100kgのベンチプレスはバーベルの両側に20kgのプレートを2枚ずつつけます。

2枚のプレートが付いたバーベルは見た目に収まりがよく、100kgという重さはキリがいいのです。

でも、見た目やキリが良いからと言って、本当に目標や筋力を維持するための重量として適切なのでしょうか。

むしろ、多くの人に、無意味に1回だけのセットを組ませてしまう恐ろしい重量なのではないでしょうか。

体格

100kgは100kgです。

でもその重量は扱う人の体格によって、意味が変わります。

目標とすべき重量になる人もいれば、目標には軽すぎる、また重すぎる人もいます。

トレーニングは人と争うものではありません。

トレーニングする人の身体的パフォーマンスを向上させるもので、そのための重量設定をしなければいけません。

目標の重量もその人の体格に合わせる必要があります。

体重が60kgと90kgの人にとって100kgの意味は同じでしょうか。

経験的に体重60kgの人が100kgのベンチプレスを挙げるにはかなりのトレーニングの期間が必要です。

しかし、体重が90kgの人では、もしかすると初めてバーベルを触る人でも挙がってしまう重量になってしまいます。当然のようですが、体が大きければもともとの筋力も高いのです。

60kgと90kgの人では見た目の体格差にも明らかですが、60kgと65kg、また65kgと70kgの人ではどうでしょう。

見た目にはそれほどの体格差はありません。

むしろ、ベンチプレスの100kgに複数人でチャレンジしている人々の、それぞれの体重差としてはよくあるものです。

複数人でベンチプレスを行って、遊びとしては楽しいのでしょうが、トレーニングとしてはよくありません。

ややもすれば、体重の軽い人にとっては無謀な重量で怪我の危険性があり、体重の重い人にとってはトレーニングにもならない重量になってしまいます。

そうなると、一体何のためにジムでベンチプレスをしているのかわからなくなります。

遊んでいるだけ、と言えば、楽しいひとときですから、それはそれでいいのかもしれません。

ですが、真剣にトレーニングをしたい他の人にとっては、半時間かそれ以上もベンチプレス台を専有されるのたまったものではありません。

とはいえ、MAXに挑戦するセットなど、トレーニングとしてはほとんど意味はないのですが、それはそれとして、トレーニングを続けるためには、目標は必要です。

数値的な100kgが、万人の目標として適切でないのであれば、何kgを目標にすれば良いのでしょうか。

競技ベンチプレスには活用できそうな記録算出方があるので紹介しましょう。

フォーミュラ記録

競技ベンチプレスは階級制です。

先述した通り、体重が重く、体格が良ければそれだけ扱う重量が増えます。

ですから、小柄な人と大柄な人を比べようとしたとき、挙上記録では比べようがありません。

すると、大会で、誰が優秀選手か、誰が本当に凄い選手か決めるのに困ってしまいます。

そこで役立つのがフォーミュラ記録です。

フォーミュラ記録は体重と挙上重量とを両方を使って算出する記録です。

いわば、体重を考慮しての実質的な記録です。

式についてはよくわかりませんが、記録を算出してくれるサイトがあるのでリンクを貼っておきます。

記録算出サイト その①

この式によると、60kgの人が100kgを挙上すると、フォーミュラ記録は「85.3kg」です。

90kgの人が100kgを挙げると記録は「63.8」となるようです。

記録が20kg以上も違います。

もし、100kgを目標にするならば、フォーミュラ記録で100kgにすれば、単なる数値的な重量よりも多くの人に平等な目標になりますね。

テクニック

そもそも、100kgを目標やボーダーラインに設定するのはなぜでしょうか。

私ははっきりしない筋量の増加や、減少を数値化したいためだと思います。

筋量は脂肪の下に埋もれて、鏡で見てもよくわかりません。

体脂肪率の計算機能の付いた体重計で除脂肪体重を割り出しても、家庭用の体脂肪率計では誤差が大きく、結局大まかなことしかわかりません。

ですから、とりあえず100kgを持ちあげれば、筋肉が付いた、筋肉が落ちていないと信じるとことができるのではないかと思います。

しかし、そんな淡い気持ちはベンチプレスの挙上テクニックによってもろくも打ち消されます。

ベンチプレスはトレーニングの一種目ですが、同時に1つの競技にもなっています。

競技である以上、様々なテクニックが編み出されています。

例えば、ブリッジを効かせる、手幅を広くする、背中の筋肉を使うなどです。

私は体が柔軟で、かなりブリッジを効かせることが出来ます。

ブリッジというのは、ベンチ台の上で体を弓なりに反らせ、ベンチプレスの可動域を狭めるテクニックです。

ベンチプレスは基本的に大胸筋の運動ですが、高いブリッジと、広い手幅、ちょっとした挙げ方の工夫で全身運動に変わります。

テクニックを使ったベンチプレスをたくさん行っても大胸筋が疲労しないこともあります。

すると、テクニックを習得することで、大胸筋が発達していなくても、簡単に挙上重量があげることが可能なのです。

テクニックの使用を含めた場合、100kgの挙上に何の意味があるでしょうか。

100kgに限らず、挙上するだけのベンチプレスでは何のトレーニングにもなりません。

本来的に筋肉をつけることが目的なのですから、筋肉への刺激に配慮する必要はあって、重量がいくらかということはトレーニングにとって本質的には意味がないのです。

英米はポンド

筋トレと言えば、何となくアメリカが本場という感じになっています。

その本場では、キログラムは使いません。

ポンドです。

100kgは220ポンド7.39648オンスです。

全然キリが良くありません。

プレートにもポンド表記があって、20kgは45ポンドと書いてあります。

ポンドを使う英米の人々にとって、100ポンドや200ポンドはキリがいいでしょうが、100kgはなんの意味も持ちません。

北米でジムに行ったら、ポンドで重量が書いてありますから100kgに挑戦したくても、ちょっと面倒くさいですね。

終わりに

ジム内で、何キロ挙げた、挙げないという話を脇でしているのをよく聞きます。

数値をものさしにすれば、確かに簡単に筋力や努力成果を比べたり表現できたりできます。

ですが、これまで説明してきたとおり、そのひとの本当の筋力や努力は挙上重量の数値だけでは単純に比べたり表したりできないのです。

体格や性別の違い、エクササイズのフォーム変化によって扱える重量は変化します。

私達にとっての筋トレの目標は、それぞれが以前の自分の筋力や筋量を超えていくこと、出来なかったことが、出来るようになることだと思います。

容易に変わる挙上重量、またそれで他人と自分を比べるのは何の意味もないことです。

ベンチプレス100kgというのは悪しき習慣であり、そんなことに体力を浪費するのはもったいないことだと思います。

 

「ベンチプレス100kgの幻想」への6件の返信

胸の筋肉をつけるためには、あまりブリッジなどを行わず、胸に効かせるというのが重要になるでしょうか?

大胸筋を大きくするために、ベンチプレスでブリッジを行なうことは問題ありません。また、ブリッジを使わないのもいいでしょう。いずれのベンチプレスのフォームもエクササイズのバリエーションとしてトレーニング効果を高めるために利用していいと思います。
私は「胸に効かせる」というのは一つのトレーニングテクニックだと考えます。「効かせる」とは具体的には、エクササイズ中、対象の筋肉を意識を向け、丁寧に動作を行なうことではないかと思います。
大胸筋つけるためには、大胸筋が十分に活動し、筋力を発揮できるフォームを習得し、その上で、ブリッジを使ったり、フラットでやったり、また時に「効かせる」などのトレーニングテクニックを適度に用い、筋肉を刺激することが大事だと思います。

筋力は断面積に比例します。
身体の小さい人は体重当たりの筋断面積が大きくなりやすいので
身体の小さい人は大きい人より筋力を発揮するのが有利です。
また、モーメントアームの観点からも身体の小さい人は腕が短いため
やはりベンチプレスの挙上重量は有利になります。
可動域も短くなるので、やはり体の小さい人は有利です。
現にリフターは身体の小さい人が勝っていますよね?
身体の小さい人=体重の軽い人 はベンチプレスの挙上重量で大きい人より有利なのです。
科学的でないウソの記事を書かないでください。

おっしゃる通り、筋力は筋肉の断面積比例し、また、パワーリフティングの大会ではベンチプレスでの手幅の規定が体重や体格に関係なく一律ですし、バーベルの長さも同じですから、手幅と足幅の自由度が体格の小さい人ほど高く有利である言えます。
パワーリフターには挙上重量は記録であり、選手としての価値を決めます。しかし、ジムに来て、「筋肉をつけたい」と願ってトレーニングする人にとって、挙上重量はトレーニングの効果のもなさしになる程度で、本来の目的からは意味を持ちません。
「〇〇kg挙げた」というジム内での暗黙の競争はからだづくりのためのトレーニングの妨げでしかありません。どのような環境でも他と自分を比べてしまうことは仕方ありません。しかし、トレーニング効果は過去の自分と比べるものです。大会ならまだしも、ジム内で他人との「重さ比べ」は愚かしいことだと思うのです。

ぞうさんのコメントは全く持ってその通りですし厳密にいえば「体の小さい人=体重の軽い人 はベンチプレスの挙上重量で大きい人より有利なのです。」も正解ではないと思います。言い出したらきりがありませんね。しかしgymojisanの記事からはちょっと焦点がずれてるかもしれませんね。一般的にジムに通ってる方は競技者ではなくボディメイクがメインでしょう。ぞうさんの内容を説明しても理解できる人は意外と少ないでしょうしそのレベルでトレーニングしてる人も多くはありません。gymojisanの伝えたいことは、体格に差がある他人と比べたところで意味はないので100kgはこだわらないようにしましょう!という事でしょう、また一般人にはこちらの方がわかり易いかと思います。

記事内で身長に触れていないのでそもそも見当違いな指摘では?
あなたの言う「身体の小さい人」は身長の低い人であり記事内では「体重」にしか触れておらず、同じ身長の場合体重の大きい方がそれに比例して挙上重量も上がります。
この記事の要点としては体重などの前提条件を考慮せず、
キャッチーな「ベンチ100kg」という目標に囚われすぎているのではという問題提起であり、
的外れなことは書いていないかと思いますが・・・・

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