質問:広背筋のトレーニングが全然効きません。どうしたらいいですか
答え:効かないなら、効くまで毎日でもやりましょう
目次
広背筋に限らず、筋トレを続けていると、どうしてもうまく効かない部位が出てきます。
間違いのないトレーニングをしているはずなのに発達も芳しくない。
効きの良い部位だけが発達してしまって、アンバランスな体型になってしまいはしないかと不安になることもあるでしょう。
どうやってこの問題を解決したら良いのでしょうか。
効きやすい、効きにくい部位がある
自分の体だけではなく、他の人の体を見る機会があれば、よくその人の体を観察してみましょう。
ボディビルの大会では比較審査を行いますので、個人個人の体の違いが明らかに見てわかります。
それぞれの部位の実寸は問題ではありません。
体が大きければ値も大きくなるからです。
注意して見て欲しいのは、それぞれの部位の発達の具合です。
全ての部位が均等に発達している人は稀です。
一見、バランスよく発達している人でも、誰かと比べるか、もしくは、よく観察すると、ある部位はよく発達し、またある部位は発達の具合が劣っていることがわかります。
発達の仕方に差があるからといって、特定の部位だけよくトレーニングしている、その逆にしていないということではありません。
同じようにトレーニングしても、部位によって発達度合の異なることがあるのです。
往々にして、よく発達する部位は、トレーニングによって筋肉は著しく疲労し、筋肉痛もひどい。
しかし、発達しにくい部位はそうではありません。
考えられる原因は2つあります。
1つは遺伝子的に発達しづらい。
もう1つは何らかの原因で対象の筋肉に効いていない。
前者の理由が原因であれば、出来ることはあまりありませんが、後者の理由であれば、発達しやすい部位と同様の効きやすさを手に入れれば良いことになります。
例えば、私は脚のトレーニングは非常によく効きます。
発達も他の部位と比べると格段でした。
私の脚を見て、どんなトレーニングをしているんですか、と質問されることはあります。
実際に特別なことはしていません。
ただバーベルスクワットをやっていただけでした。
正しくは、バーベルスクワットしかできなかったのです。
脚のトレーニングの最初のエクササイズにバーベルスクワットを行うと、もう他のエクササイズが出来ないほどに疲労していたのです。
あるときは、バーベルスクワットを1セット行っただけで、脚のトレーニングを終わりにしなければいけない程の疲労に見舞われたことがあります。
しかし、広背筋の発達は脚に比べると劣っています(今はわりと良い)当然、広背筋のトレーニングはまるで効かず、筋肉痛すら起こりませんでした。
オーバーワークは起きない
何かのスポーツの練習をするとき、得意な技やテクニックには個人差があります。
友人は簡単に習得したテクニックが、自分はなぜか上手く出来るようにならない、またはその逆に、自分は簡単に出来るようになったことが、他の人はなかなか出来ない。
このようなことは誰にも覚えがあると思います。
筋トレにも同様にあると考えます。
私は広背筋のトレーニングが全然効かないと先述しました。
筋肥大を引き起こすためには、毎日同じ部位をやってはいけないことは、筋トレをする人は誰もが知っています。
なぜなら、筋肥大は傷ついた筋肉が修復されるときに起きるからです。
しかし、もし筋肉が傷つかなかったら、疲労していなかったら、休養によって筋肥大は起こるでしょうか。
筋肥大のための刺激がないのですから、筋肥大は起きません。
そして、そんなトレーニングを毎日やったとしても、トレーニングのやり過ぎになるはずがありません。
筋肉の構造は理解しているか
せっかく、トレーニングしているのに全然意味がない。
と、嘆く前に、考えなければいけないことがあります。
はたして、自分は鍛えている筋肉について十分に知っているのか、ということです。
対象の筋肉に十分な刺激を与えることができないのは、エクササイズのやり方はわかっていても、どのようにしてそのエクササイズが筋肉に負荷がかかるのか理解していないからではないでしょうか。
上腕二頭筋を例にしましょう。
バーベルカールは、立位で、逆手でバーベルを握り、肘を屈曲させるエクササイズです。
とても単純な動きです。
誰でも簡単に真似ることが出来ます。
ですが、ただ肘を屈曲させると、人の体は面白いもので、最も効率よく肘を屈曲出来るように筋肉を使います。
肘を屈曲させる筋肉は上腕二頭筋だけではありませんから、屈曲に関わる筋肉を総動員します。
また、できるだけ筋力を使わないために、体を後ろに反らしたり、肘を後ろに引いたり、次の肘の屈曲のために、肘を伸ばしきらなかったりと様々な手段を用いて動作を行います。
本人は、一生懸命にバーベルカールを行っているつもりでも、実際は、なんだか腰の運動でもしているかのような人もたまに見かけます。
腰の運動をしていては、どんなに頑張ったところで上腕二頭筋が発達するはずがありません。
発達のしやすい、しづらいに関わらず、まず、目的の筋肉がどう動くのかしっかり理解することが大事です。
上腕二頭筋ならば、肘の屈曲筋であるけれども、十分に働かせるには、手首をしっかり回外(手のひらが見えるように手首を回す)させる。
肩甲骨に起始があるから、肩甲骨と肩関節が動かないように注意する。
というようなことです。
たくさん練習してコツをつかむ
筋肉の構造を理解したあと、効きづらい筋肉に効かせるには、「練習」が必要です。
頭でわかっていても、体が素直に反応してくれとは限りません。
筋トレに限ったことではありませんが、出来ないことを出来るようにするにはたくさんの練習が必要です。
効かせられない筋肉が効くようになるまで、とにかく様々な工夫をして練習をするのです。
効かせるために練習をするのですから、疲労が残っても、多少の筋肉痛が残っていてもお構いなしです。
筋肉に効くようになれば、疲労も筋肉痛もひどくなって、トレーニングが出来なくなりますから、そのときまで、めいいっぱい練習するのです。
ここまでくると、もう「科学的」ではありませんね。
終わりに
筋肉に効く方法を、本やインターネットで調べれば、いろいろな「コツ」を知ることできます。
ですが、本当にそのコツを自分のものにできているでしょうか。
うわべだけ真似て「この方法は自分には合わない」と、また別の「コツ」を探してはいないでしょうか。
コツは、言わば練習の末に手に入れた技術の要点みたいなもので、要点だけを知ってもほとんど役に立ちません。
要約だけ知っても、その映画の本当の面白さはわからないのと同じです。
映画の面白さは、全編を見ないとわかりませんし、また何度も繰り返し見ることで、今まで知らなかった面白みを発見出来ることこもあります。
筋肉へ効かせる方法は、確かな知識と、たくさんの練習、様々な工夫の末に、自分だけが手に入れられるものです。誰かに、ホイ、と貰えるものではないのです。