質問:10回3セットしないと筋肉は付きませんか
答え:いいえ。10回3セット以外の回数、セット数でも筋肉は付きます
目次
筋トレをはじめるにあたって、少なからず事前に勉強すると思います。
本を買ってみたり、ネットで調べてみたり、文章を読むのが嫌な人は youtube を見たり。
しかし、中にはテレビショッピングですぐに筋トレ器具を買っちゃってしまう人、ブルース・リーを真似て、低周波治療器を胸に貼ってピクピク動かしはじめる人、いろいろです。(はたして今、ブルース・リーが低周波治療器トレーニングを行っていたことをどれだけの人が知っているのか)
少数派を除いて、特定のエクササイズを、どのくらいやればいいかを調べていると、10回3セットという数字が多く見られます。
すると、「10回3セットじゃないと効果ないの?」と不安になっちゃう人もいるかもしれません。
または10回3セット信仰に陥り、10回3セットを神聖化し、他を認めない人もまれにいます。でもなんで10回3セットなのでしょうか。
今回はその理由を説明したいと思います。
回数と目的
・1〜4回神経系発達(筋肥大を伴わない筋力強化)
・4〜11回筋力強化を伴った筋肥大。
・12回〜筋持久力の強化。
筋肉を付けるには1セットあたり4〜11回が好ましいですね。
この回数ですが、ただその回数やればいいというわけではありません。
これは「限界反復回数」であって、この回数以上出来ません、ということです。
例えば、ベンチプレスを50kgにセットします。
何回が限界ですか?
もし、3回しか出来ませんでした、であれば、筋肉が肥大しない筋力強化の効果があります。もし、10回できました、ならば、筋力強化を伴った筋肥大の効果があります。
最後に12回以上ならば、筋持久力の強化になります。
なぜ回数によって期待できる効果が変わるのか
1〜4回では筋肥大のための筋繊維の損傷や疲労物質が溜まるのに不十分ですが、いわゆる慣れによって同じ筋肉量でも出力が上がります。
4〜11回では、筋繊維の損傷や疲労物質が溜まるのに十分な反復回数です。
13回以上は筋繊維の損傷が起こるには不十分な負荷ですが、疲労物質がよく溜まり、対応として持久力が強化されます。
トレーニングをはじめて、何回やればいいのか、と質問したときに、10回と言われるのは、この理由からです。
それに、もし、「じぁ9回」、「では11回」と言われても、それこそ「え、なんで9回?、11回?」と疑問が湧いてしまうでしょう。
別に、いずれでも効果の差がないのであれば、キリのいい10回が覚えやすく、納得もしやすいのです。
3セットの3はこれもキリがいいから
「セット」ってなんでしょう?
あるエクササイズで一度に行う反復回数を単位にしたものです。
例えば筋力強化目的で4回にしようと決めた場合、1セット=4回。筋肥大で8回なら1セット=8回。8回3セットは8回を3回繰り返します。
トレーニングには様々な方法があります。「セット」はトレーニング法の一つで、「セット法」といいます。
筋肥大目的で10回やったとします。確かに効果はあります。でもふと、誰かが考えたのでしょう、もっとやればもっと効果があるじゃないか、と。
では10回を何回か繰り返そう。これを「セット法」と命名する。(かなり勝手な想像です)
セット法はトレーニング方法のひとつですから、セット数に制限はありません。必要な分だけ行えばいいのです。
10回2セット、10回5セット、5回10セット、体力のある限りやりましょう。
ちなみに、私は、何セットやるのか決めませんし、数えてもいません。
疲れて、扱う重量が最初のセットの重さの半分くらいになったらやめます。
3セットと言われるのはたぶん、本当に、なんとなく納得しやすいからではないかと思います。
偶数よりも奇数。確変が3、5、7、9の大当たりのように。では5は?
と考えると、はじめての人には5セットはちょっと多すぎやしませんか、ということで3です。
「10回3セット」じゃないと筋肉がつかないわけではない、とわかっていただけたかと思います。
回数には目的がありますし、セットは一つのトレーニング方でしかない。
10回3セットは、やっぱり初めは覚えやすいし、妙にしっくりきます。
トレーニングに馴れるまでは「10回3セット」その後はそれぞれの目的と体力に合わせて、回数も、セット数も変えていけばいいと思います。
まとめ
- セットあたりの反復回数によって効果が違う。4回までは筋力強化、11回までは筋量アップ、それ以降は筋持久力アップ
- 不要な疑問を避けるべく、キリのいい10と3を適用しただけで、10回3セットに絶対的な意味はない。