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負荷の増やし方の基準は何でしょうか?
気分やキリがいい重量とうだけで決めてはいませんか。
負荷の増やし方は極端でない限り、大体の場合は間違いということはありません。
しかし、適切な増やし方をしないと、効果的な筋力、筋量アップにはつながりません。
筋トレの本を読むか、ウェブで筋トレのやり方について検索し、ある程度勉強したならば
「目標の回数ができたらちょっとだけ重量アップ」
という増やし方は知っていることと思います。
目標の回数ができたら、少しだけ負荷を上げる。
ということが、基本的な負荷の上げ方ですが、以下では、その負荷を上げる際に気をつけるべきことを説明していきたいと思います。
5〜10%増はちょっと多い!?
さて、負荷の増量幅は約5〜10%が目安と、一般に言われています。
パーセンテージで示されると、ああそうか、と納得してしまいますが、扱う重量によってはちょっと多すぎる増量になりかねません。
例えば、50kgならば、2.5〜5kgの増量になります。では100kgならばどうでしょう、5〜10kgです。
別に多くないじゃん、と思われるかも知れません。
しかし、100kgから105kgに、または110kgに負荷を増やすと、たった5%、10%でも、挙上回数は急減します。
理由は、筋力レベルではなく、おそらく、神経系が慣れていないからです。扱ったことのない負荷は思いの外重く感じるのです。
増量幅はパーセンテージではなく、最小限の増量で十分だと思います。ジムにある最小のプレートは1.25kgだと思います。
それを2つですから2.5kgです。
どんなに扱う重量が重くなっても増量は2.5kgにします。
100kgでも150kgでも同様です。
2、30kgの場合はむしろ2.5kgは多すぎるくらいで、もっと小さなプレートが用意されているといいのですが、なかなかありません。
焦らない
一見、100kgや150kgに2.5kg増量では増やすには少な過ぎるように思われますが、意外と2.5kgの増量でも十分なのです。
仮に週に1回の頻度でトレーニングしたとします。
そして、順調に筋量と筋力が増加し、毎週2.5kgずつ増量できたとします。
さて、1年後にはどのくらい重量が伸びているでしょうか。
1年は約48週ですから、48週✕2.5kg=120kgとなります。
ジムにある最小の重量の増加であっても、一年で120kgもの増加が見込めます。
ベンチプレスなら、多くは、初めての重量は30kgとか40kgでしょう。
1年後に120kgを足すと150〜160kgと驚異的な重量になります。
さらに翌年には270〜280kg。
とまぁ、こんなことは現実に起こりえないでしょうが、2.5kgが少なすぎる増量ではないことはお分かりいただけたと思います。
フォームが崩れている
「どんどん重量が伸びる!」
と有頂天になっていると、思わぬ現実に足をすくわれます。
重量が伸びていたのは、筋量と筋力の増加ではなく、フォームの崩れによるものという場合があります。
反動を使っていたり、可動域が狭くなっていたりです。
ジム内を見渡すと、自慢気に高重量を使ってトレーニングをしていても、ちょっと観察すれば、本来の正しいフォームとは似ても似つかないほどに変形したフォームになっている人がいます。
しかも、しっかりと鏡を見ながらエクササイズを行なっています。
一体何のための鏡なのでしょうか。
人は無意識に筋肉を効率よく使おうとします。
少ない労力で大きな仕事を行うことは、自然の中ではごく当たり前なのですが、トレーニングではいけません。
トレーニングはできるだけ非効率に、集中的に対象の筋肉を使い、鍛えていくものだからです。
3歩進んで2歩下がる
フォームを崩した状態で重量をアップさせ続けないためには、定期的に重量を減らしてみるといいでしょう。
重量を減らすことに抵抗があるかもしれません。
ただ、一度、軽い重量でエクササイズを行ってみると、いつものフォームや筋肉の感覚と違うことに気付くでしょう。
きちんとしたフォームを意識してやってるつもりでも、意外と崩れているものです。
負荷を増量したけれども、なかなか回数が伸びない、というときは、素直に一つ負荷を減らして、やり直すといいでしょう。
先ほど、毎週2.5kgずつ重量が増えていった場合の計算をしました。
一年で120kgは現実離れしていますが、例えば月に2.5kgならば年に30kgです。
年に30kgの重量増加は120kgよりは少ないですが、現実の伸びとして、年30kgの増加は夢みたいな数値です。
通常どんなエクササイズであれ、ある程度トレーニングを積んだ人であれば、1年で10kgの重量増加があれば御の字です。
これでも10年経てば100kgですから。
年に10kgは3ヶ月で2.5kgの増加です。
3ヶ月で2.5kgの増加は、増えているのか、変わらないのか、はっきりとわからない感じがしますが、十分なのです。
負荷を軽くして、伸びているのか、停滞しているのか不安が付き物ですが、そういうものだと思って、粘り強く続けていきましょう。
最後に
筋トレは続けていけばいくほど、負荷も体も変わらなくなってきます。
ただ、そこで焦ってはいけません。
最初こそドラマチックな身体の変化を経験しますが、初めだけなのです。
「素晴らしい体を作ろう」
「誰よりも強い筋力を手に入れよう」
と思ったら、焦らず、じっくりと負荷を増やしていきましょう。
負荷を無理に増やしても、効果がないばかりか、怪我の危険も伴います。
身体の変化は遅々なものです。
一歩、一歩、確実に進んでいれば、いつか、途方もない場所に行き着いていることに気づくのです。